ついに、待ちに待った3DCTが、さる3月19日、当院に導入されました。
朝一から、今までのレントゲン機材の運び出しと、新しい3DCTの組み立て設置で、一日がかりです。
3DCT??と、いきなり言われても、一般の方には「何のことやら?」かと思いますが、3DCTとは、、、 ズバリ!こんな写真が撮れちゃう機械なのです!!
従来のレントゲン写真と比べると、一目瞭然!この立体感!!
従来のセファロレントゲン
どうやって撮影するかといいますと、基本的には従来のレントゲンと同じく、患者さんに機械の真ん中に立ってもらい、スイッチを押すと、機械がぐるりと一周しながら、3方向からのレントゲンを一度に複数枚撮影します。
この間、約17秒。従来のパノラマレントゲンとそう変わりません。 で、撮影されたのがコチラ。
これだけ、みると何がなんだかわかりませんが、縦・横・正面からスライスされたレントゲン画像(上段と左下)とです。
それらをコンピュータが立体に構築すると先ほどの画像になります。
コンピューター画像ですので設定を変えるとこんな画像にもなります。
こうした画像が実際の診療の際、どう役立つのかといいますと、たとえば以前ご紹介した「移転歯」の症例。
従来のパノラマレントゲンで撮影していましたので、こんな感じに写っていました。
二番目と3番目の歯が重なって写っていますが、二次元の平面ですので、どちらが手前にあるのかはわかりません。あとは違う角度から撮影したレントゲンと見比べたり、長年の経験を頼りに判断していきます。
・・・しかし、3D画像なら一発OK!パソコン上で構築された3D画像はマウスで動かして色々な角度から見ることが出来ます。
また、先ほどのスライスされた断層画像から、顎の骨の厚みや、歯の根っこの傾きや重なり具合などがよくわかります。これはインプラントや抜歯など外科処置の際に非常に役立つ情報なのです。
例えば、骨の中に埋まっている親知らずの抜歯の際、骨のどの辺りにあるかがわかれば、極力骨の薄い部分から抜歯することで、顎骨の損傷を最小限にできます。
さらにもう一つ、うれしいメリットがあります。 この機械、従来のパノラマやセファロレントゲンも撮影できるのですが、フィルムを使わないデジタルレントゲンですので、X線の量が従来のものより少なく、現像の必要がないので、現像液の廃液問題もありません。 人にも環境にもやさいしいのです。