さて先月はレジンベニアで歯の隙間をリカバーするお話でしたが、ご紹介した症例では歯の数が足らずに隙間ができているというお話を書きました。(詳しくは2月のトピックスをご覧ください)
レジンベニア前
レジンベニア後
そもそも永久歯は全部で28本、親知らずを入れると32本で一揃いです。
この永久歯が人によって28本より少ない場合があります。
虫歯や歯周病で失った場合、または矯正治療のために抜いた場合などいくつか理由はありますが、今回お話するのはもともと永久歯がない場合のお話です。
もともとない???どういうこと?と思われるでしょうが、じつはすでに先述の「永久歯は全部で28本、親知らずを入れると32本で一揃い」というフレーズにヒントがあります。
ところが、文明の発達とともに食料事情がよくなり、それほど硬い物を咬むこともなくなってくると、顎の骨も徐々に貧弱に退化してきました。顎の骨が小さくなれば、歯はきちんと並ぶのが難しくなってきます。永久歯の中では一番最後に生えてくる第三大臼歯が生えようとしたころにはもう顎の骨は満席状態で生えることができなくなってしまいます。
こうして第三大臼歯は曲がった位置に生えたり、生えることができずに埋まったままになることが多くなっていきました。そして、そもそも第三大臼歯自体、からだの中で作られない人も増えていきました。
現在では永久歯は第二大臼歯までの全28本で一揃いということになり、第三大臼歯は親知らずと呼ばれ、無くても良い歯ということになっています。
人類は進化とともに、使われなくなった機能は退化し失われていきます。毛むくじゃらだった人類の祖先の毛が徐々に現代人のように薄くなってきたのと同じことなのです。
さて、人類は日々進化を続けています。柔らかい食事への移行も更に進んでいます。
結果、現代では顎が小さく、歯が並び切らない歯並びの悪い子供も増加傾向にあります。
それだけではなく、親知らず以外の歯も退化し、小さくなったり無くなったりする傾向があるのです。(通常より小さい歯のことを矮小歯といいます。)
こういった、歯がもともと身体の中で作られずに生えてこない状態を先天性欠如といい、現在日本では永久歯の先天性欠如は約10人に一人くらいの確率で現れます。
永久歯だけでなく乳歯が無い場合もありますが、乳歯で数が足らなかったからといって必ずしも生え変わる永久歯がないというわけではありませんし、乳歯があってもその下に生え変わるべき永久歯が作られず、生え代わりが起こらない場合もあります
主に欠如する傾向の強い歯は下顎の第二小臼歯(中央から5番目の歯)と下顎側切歯(中央から2番目の歯)が多く、次いで上顎第2小臼歯、上顎側切歯の順です。1本だけない場合もありますし、複数本無い場合もあり、健康面への影響としては、すきっ歯や、歯の本数が不足して歯と歯の間に大きなすき間がある状態が続くと、歯が動いたり傾いたりして、歯並びや噛み合わせ、発音などに影響が出ることがあります。もちろんこういった咬み合せや歯並びの不調和は矯正治療で治すことができます。現在では6本以上の永久歯の先天性欠如の場合は矯正治療も健康保険の適用が受けられます。
レジンベニア前
レジンベニア後
そもそも永久歯は全部で28本、親知らずを入れると32本で一揃いです。
この永久歯が人によって28本より少ない場合があります。
虫歯や歯周病で失った場合、または矯正治療のために抜いた場合などいくつか理由はありますが、今回お話するのはもともと永久歯がない場合のお話です。
もともとない???どういうこと?と思われるでしょうが、じつはすでに先述の「永久歯は全部で28本、親知らずを入れると32本で一揃い」というフレーズにヒントがあります。
そもそも、昔は人類の歯は現代人よりたくさんありました。今よりずっと過酷な環境で暮らしていくためには丈夫な顎と咬み合わせが必要だったのです。 ですので、昔の人類は全部で32本の歯がしっかり咬み合っていました。 前歯(中切歯・側切歯)4本、犬歯2本、第一第二小臼歯4本、第一~第三大臼歯6本 ×上下 =32本 |
ところが、文明の発達とともに食料事情がよくなり、それほど硬い物を咬むこともなくなってくると、顎の骨も徐々に貧弱に退化してきました。顎の骨が小さくなれば、歯はきちんと並ぶのが難しくなってきます。永久歯の中では一番最後に生えてくる第三大臼歯が生えようとしたころにはもう顎の骨は満席状態で生えることができなくなってしまいます。
こうして第三大臼歯は曲がった位置に生えたり、生えることができずに埋まったままになることが多くなっていきました。そして、そもそも第三大臼歯自体、からだの中で作られない人も増えていきました。
現在では永久歯は第二大臼歯までの全28本で一揃いということになり、第三大臼歯は親知らずと呼ばれ、無くても良い歯ということになっています。
人類は進化とともに、使われなくなった機能は退化し失われていきます。毛むくじゃらだった人類の祖先の毛が徐々に現代人のように薄くなってきたのと同じことなのです。
さて、人類は日々進化を続けています。柔らかい食事への移行も更に進んでいます。
結果、現代では顎が小さく、歯が並び切らない歯並びの悪い子供も増加傾向にあります。
それだけではなく、親知らず以外の歯も退化し、小さくなったり無くなったりする傾向があるのです。(通常より小さい歯のことを矮小歯といいます。)
こういった、歯がもともと身体の中で作られずに生えてこない状態を先天性欠如といい、現在日本では永久歯の先天性欠如は約10人に一人くらいの確率で現れます。
永久歯だけでなく乳歯が無い場合もありますが、乳歯で数が足らなかったからといって必ずしも生え変わる永久歯がないというわけではありませんし、乳歯があってもその下に生え変わるべき永久歯が作られず、生え代わりが起こらない場合もあります
主に欠如する傾向の強い歯は下顎の第二小臼歯(中央から5番目の歯)と下顎側切歯(中央から2番目の歯)が多く、次いで上顎第2小臼歯、上顎側切歯の順です。1本だけない場合もありますし、複数本無い場合もあり、健康面への影響としては、すきっ歯や、歯の本数が不足して歯と歯の間に大きなすき間がある状態が続くと、歯が動いたり傾いたりして、歯並びや噛み合わせ、発音などに影響が出ることがあります。もちろんこういった咬み合せや歯並びの不調和は矯正治療で治すことができます。現在では6本以上の永久歯の先天性欠如の場合は矯正治療も健康保険の適用が受けられます。
<症例 1> |
上顎両側切歯 2本 欠如 その影響で真ん中にも隙間が開いている 治療:すきっ歯を二日で治療! -レジンベニア- |
<症例 2> |
右上の永久歯が先天性欠如で乳歯が抜けずに残っている (右上顎側切歯 犬歯) 左上の二番目の歯も通常よりサイズが小さい矮小歯 治療:移転歯+先天性欠損+矮小歯・・・その治療例 |
<症例 3> |
すべて永久歯に生え変わっているが、前歯が3本しかない状態。 顎が小さいので特に隙間はできておらず、むしろ少しでこぼこ気味 下顎の歯列が1歯分小さいので、相対的に上の歯列が1歯分余るので出っ歯な咬み合せになっている 上下左右対称になるよう抜歯して、現在治療中 |
<症例 4> |
9歳5ヶ月の段階でレントゲン上で、右下の4番目の永久歯(第一小臼歯)がないことが確認された
4・5番目の乳歯の下に5番目の永久歯のみ存在している その影響で乳歯は4・5番両方共に歯根が溶けてなくなりつつある。 4ヵ月後5番目の乳歯は完全に歯根が溶けて抜け落ち、その部分に5番目の永久歯萌出 4番目の乳歯は残っているがかなり歯根が溶けており、どのくらいもつか不明だが、小学生のうちは入れ歯やブリッジは避けたいので、出来るだけ保たせる方向で経過観察中。 |