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2021年 11月 治療中に装置が当たって痛くなったら?

 このホームページをごらんのみなさんは、「矯正治療って興味あるけど、どんなものだろう?」と思われている方や、すでに治療をはじめられている方もおられると思います。

そういった皆さんの誰しもが「矯正の装置って痛そうだな」と思ったことがあるのではないでしょうか?

 特に以下のような固定式の装置は、痛くなった時に取り外し式の装置のように自分で外せないというプレッシャーで、しり込みしてしまいやすいようです。

 しかし、すでに治療を始められている方はお分かりになると思いますが、いざ実際に装置をつけてみると、意外と慣れるものです。もちろん個人差もありますが、装置をつけてから一ヶ月後の調整に来院されたときにはたいていの方が最初は違和感があったけれど慣れたと、おっしゃいます。

 ただ、やはり始めのうちは慣れないこともあり、装置のでっぱりが当たって、唇の内側などが痛くなってしまうこともあります。また、治療の途中に、何らかの原因で装置が壊れたり、歯並びが変わってくることで装置の位置関係が変化して、今までにない部分が当たってくる場合もあります・・・。

 

<痛くなりやすい部分>

A 唇(くちびる)の近くのブラケットの角

B 抜歯部分に渡っているワイヤー

C ワイヤーの端

D チューブのフック

 

 そんなときに役に立つのが『リリーフワックス』です。

これは歯科用のユーティリティワックスやシリコンでできた柔らかい粘土状のもので、装置の角などの当たる部分に貼り付けて当たりを柔らかくします。

お口の中の粘膜というのは、体表面の皮膚よりもかなり回復力と順応力にすぐれています。装置が当たって傷ができてしまっても、ワックスで一時的に装置をカバーしていれば速やかに回復し、装置の出っ張りに順応します。もちろん個人差はありますので順応するのに時間のかかる方もおられますが、まずはお試し下さい。しばらく使ってみても駄目だったという場合には、医院のほうで装置を加工することも可能です。

 ワックスの一番のメリットは自分で気になるときに気軽に使える点です。当院ではワックスは無料でお出ししておりますので、「診察のときには痛くないけど、後で痛くなるかも・・・」など不安なときにはいつでもご相談下さい。

 

以下にワックスの使い方と注意点等、掲載しておりますので、参考になさってください。

 

リリーフワックスの使い方

〈1〉 手をきれいに洗いよく乾かす(手が汚れたり濡れたりしているとワックスが上手く付きません)

〈2〉 当たって痛い部分の装置周囲の唾液などの水分をティッシュでよく拭き取る

   (歯垢が付いていればあらかじめ歯磨きして取っておく)

〈3〉 ワックスをカバーしたい部分の大きさに合わせて、適当な大きさに丸める

〈4〉 ブラケットやワイヤーの上にワックスを軽く押し付け表面を滑らかにする

 

ワイヤーやブラケットがワックスで覆われるので痛くなくなります(^^)

 

注意点

・ ワックスは歯磨きのときには外してください。(ワックスは一回使い切りです。)

・ 食べ物の咀嚼(そしゃく)によってとれることがあります。誤って飲み込んでしまっても害はありませんが、気になる場合はあらかじめ外してください。

・ ワックスをつけるときに、あまり強く押し付けすぎるとワイヤーにくいこんで細かくちぎれてしまい、かえってはがれやすくなります。